腸内には様々な種類の細菌が存在し、腸内細菌叢を形成しています。
ビフィズス菌や乳酸菌のような善玉菌や、大腸菌やウェルシュ菌のような悪玉菌、どちらともいえない日和見菌がいます。理想的な便はバナナ状・半練状と言われますが、ややもすれば日常的に、わたしたちは便秘や下痢になりがちです。
「善玉菌」が発育しやすい腸内のPH(ピーエイチ)は「弱酸性」
腸内のPHを知る目安は便の色や固さです。腸内のPHが低いほど便は黄色っぽく、高いほど黒っぽくなります。
赤ちゃんの便はPH4.5〜5.5(弱酸性)なので黄色です。 健康な大人はPH5.5〜6.0で、黄土色をしています。
7.0(中性)を越えると茶色っぽくなり、8.0(弱アルカリ性)になると黒っぽくなります。
大腸菌、ウェルシュ菌などの腐敗菌、いわゆる悪玉菌は、アルカリ環境を好んで発育しますが、PH6.0以下(弱酸性)になると発育しにくくなります。
脳の自律神経が腸内のPHをコントロール
脳の血流不足のため酸素が十分供給されないと、腸内のPHを整えるための正しい指示を出しにくくなります。また、指示を受けた腸も血流不足のため酸素が不足すると、望ましいPHにすることが難しくなります。
脳や腸に十分酸素が届くと、腸内のPHを整えるよう正しく指示を出すことができるようになり、腸も指示通りのPHに整えることができるようになります。
腸内のPHが整えられると、善玉菌が発育しやすい環境になります。
善玉菌が増えると日和見菌は善玉菌を加勢するようになり、その結果「腸内環境」が整います。
さらに、腸管にも血液が十分行くと「蠕動運動」が起きやすくなります。
腸管免疫と腸内環境
腸管免疫系は最も大きな免疫系で、免疫系全体の約60%は腸内にあります。テニスコート1面分にもなる腸の中に住み着いた腸内細菌(善玉菌)が、腸内免疫の活性化に深く関与していることが解っています。「腸内環境」を整えることは、体全体の免疫力を高めるため、健康維持・健康増進に役立ちます。
腸内細菌 Q & A (腸内細菌が作る健康バランス) |
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2008年02月21日 |
Q1.腸内細菌叢って何ですか?A1.一言でいうと、叢(くさむら)のように群がっている腸内細菌の集合体のことです。
腸内細菌は善玉菌と悪玉菌そして日和見菌のグループに分かれます。細菌の総量はほぼ決まっていて、善玉菌が増えると悪玉菌が減り、善玉菌が減ると悪玉菌が増加します。
Q2.私たちの腸内にはたくさんの細菌が棲みついていると聞きますが、どのくらいの数ですか?A2.腸内には100種類以上、約100兆個の腸内細菌が棲みついています。
私達が食べたものは胃や腸で消化され、老廃物は尿や便、汗、呼吸を通して排泄されます。日本人の成人1日当たりの平均的な排便量は100〜200gで、水分を除いた固形成分のうち、食べカス(ほとんどが消化吸収されなかった繊維質=セルロース)が約3分の2、残りの約3分の1が腸内細菌です。仮に150gの便だとすると何と50g前後が腸内細菌です。細菌数に直すと、数10兆個の膨大な数の腸内細菌を、毎日排泄しているということになります。
Q3.悪玉菌が悪さをするから悪玉菌を減らして、善玉菌を増やすようにすることが大事ということですね。A3.そうです。腸の働きは皮膚にも影響を与えますから、お肌の健康を維持するためにも、腸内細菌叢のバランスをとる、つまり善玉菌を増やし、悪玉菌を減らすことがとても大切になります。
Q4.いき過ぎた清潔志向が、過敏な体質を作るって本当でしょうか?A4.現在、多くの人が、アレルギーなど過敏体質に悩んでいます。特にスギ花粉により、国民の約30%以上が苦しんでいると推定されています。最近の清潔志向により細菌による感染機会が減少したり、抗生物質の乱用により腸内細菌叢のバランスが崩れたことが原因で、過敏体質の人が増えてきています。
Q5.腸内細菌叢のバランスを良くするものはありますか?
A5.腸内環境を整えるサプリメントがお勧めです。