免疫力は生きる力です! |
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okada 2008年10月07日 |
連日、粉ミルクやお菓子にメラミンが混入した事件が報道されています。
WHO(世界保健機関)は、乳製品にメラミンが混入したことに関して、「生後6ヶ月間までのすべての乳児には母乳だけを与えることを推奨する」という見解を発表し、粉ミルクの使用を控えるように訴えました。
又、WHOは、仕事を持つ母親が世界的に増えていて、母乳をあげられない実態にも言及して、「授乳のために母親の労働環境を整備するように」と主張しました。
このニュースに接して、聖マリア病院の橋本武夫先生の講演(2008.3.21)を思い出しました。
久留米の聖マリア病院の橋本武夫先生は、長く母乳育児を推奨してこられて、「おっぱい先生」と親しまれています。
橋本先生の講演は、母乳に含まれる免疫機構にも触れ、初乳の重要さと共に、母乳・育児の大切さや、医学・生理学、社会・心理学など多岐に亘りました。
「赤ちゃんを抱いて、語りかけて、おっぱいをあげる。
HUG(ハグ)することで親も子も育ちます。
社会環境の変化で、子育ての伝承がなくなりました。
赤ちゃんをあやすことも知らない母親が増えています。
父親の存在も重要です。父親の育児参加とは子と母を抱き締めることです。
夫(父)や社会に向かうべきものが、子供に向かい、虐待につながるのです。
支えあい、響きあうことで、優しさは育まれます。」
などなど、赤ちゃんを抱いておっぱいをあげ、語りかけることで子供の心が安定し、親子の信頼関係の基礎ができること、そしてその信頼の上に、子供は自主性や社会性を身につけて成長していくことを、愛情あふれる視点で話されました。
かつては子供の犯罪が多い米国で、クリントン(元大統領)は「生涯最初の日」を設定して、赤ちゃんへの母乳率を上げた結果、犯罪と虐待率が下がったことにも言及されました。
食への不安が象徴するように、私たちは生きる力を試されている時代に生きています。
生まれたばかりの赤ちゃんは、母乳を飲むことで免疫力を伝達され命を育みます。
栄養だけなら母乳でなくてもいいのですが、死亡率でみると、母乳1に対して、人工ミルクは5.6倍です。
以前は病気の母親は母乳を与えないように指導されました。
けれども、例えばエイズに感染した母親の母乳は、免疫を赤ちゃんに伝達するので、むしろ長生きすることが分かってきました。
母乳は免疫の濃縮ジュースです。
初乳に含まれる免疫の伝達物質は癌も防ぎます。
免疫力は、生きる力です。
母乳・育児と免疫学の関係 |
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okada 2008年04月04日 |
“おっぱい先生”こと橋本武夫先生の講演が、3月21日「
母乳・育児と免疫学の関係 〜トランスファーファクターの可能性〜」と題して、広島で開催されました。
講演の中で先生は、「母乳・育児とは、栄養や免疫の受け渡しだけでなく、赤ちゃんを抱いて語りかけておっぱいを上げる、ハグ(HUG)することで心も身体も育ちます。
それが心の安定をもたらし、自主性を育み、社会性を身につけ成長する基礎となります。
社会現象化しつつある虐待は、母乳・育児が関与し、胎児・幼児期における母子関係にその原点(愛着)はあります。
米国はクリントンの時代に「生涯の最初の日」を設定して、赤ちゃんの母乳率を上げた結果、犯罪と虐待率が下がりました。子供の人間関係に、適切な“愛着”形成が必要であると、今の日本の育児政策への発想の転換を提言しました。
家庭での父親の存在も重要で、父の育児参加とは、子と母を抱きしめる=ハグすることが重要です。夫(や社会)に向かう矛盾が、子供に向かうのが虐待です。HUGで支えあい響きあうことで、優しさは育まれます。」と、語られたのが、心に響きました。
ハグの心を忘れずに、日常の人間関係を温かいものにして行きたいと願います。
笑いの効用もそうですが、ハグの効用も、免疫力と深い関係があるように思います。
私の後輩の一人に医師がいます。
私の勧めもあって、当初、半信半疑ながら仕方なく付き合いで「ライトスタート」を愛用するようになった後輩でしたが、思わぬ効果に、医師として大変驚いています。長年の花粉症が治まり、激務によってしばしばかかるインフルエンザがここ数年影を潜め、疲れた時などてきめんに出ていた口内炎が出なくなったのですから、医師の立場から「これは何だろう?」と、驚くのは無理からぬことです。
この後輩が、遅まきながら「免疫学」の専門書を読み始めたのは言うまでもありません。
だいぶと前のことですが、後輩にそれとなく率直な質問をいくつかしてみました。
「いわゆる特効薬というのは、患者の何パーセントに効果があるか?」
「医師は、免疫のことをどこまで理解しているか?」
「薬への依存をどう思うか?」
それぞれの問いへの率直な答は、私の想像どおりでしたが、一般的にはとても意外なものでしょう。
「いわゆる特効薬というものは、10人中一人、患者の10%程にしか効果がない。」
「医師の多くは、医大での医学の勉強の期間、免疫についてほとんど学ばない。したがって医師の多くは免疫について無知である。」
「薬への依存は避けるべきである。副作用ほど恐ろしいものはない。」
「最近になってやっと、免疫学をあらためて学んでいるのだが、免疫への無知は医師として犯罪のように思う。」
と言うものでした。
ストレス社会に負けない免疫力を! |
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okada 2007年05月03日 |
連休の後半初日(5/3)の大阪の空は青く晴れわたっています。
皆様は、楽しい休日をお過ごしでしょうか?
アフリカのジンバブエ在住の友人が、一時帰国しています。
帰国するたびに、彼女はアフリカの「貧困」を改めて実感するそうです。
ガソリンも手に入らず、数時間歩いて学校や職場へ通うのが、日常化している現実。インフレ率が1200%という、想像を絶する物価の上昇。
日本での、「100円ショップ」が、「120,000円ショップ」になるなど想像できるでしょうか。
彼女は、深夜のコンビニの煌々とした明かりを見ると、腹が立ってくると言います。
けれど、その明かりの下で、週刊誌や雑誌に見入る若者の姿は、孤独に見えるとも言います。
彼女の指摘を、今の日本を象徴しているように感じるのは、私だけでしょうか。
強すぎる明かりは脳を刺激して、眠りを阻害します。
物が溢れる便利な社会は、身体を使う機会を奪い、機能を低下させます。
過剰な刺激と、「ラク」に過ごせる生活パターンが、自律神経を狂わせ免疫力を低下させています。
アレルギーや自己免疫疾患は、免疫力の低下によって抗体の異常反応によって惹き起こされます。
ストレス社会の反映で、ペットの犬や猫たちも、アレルギーが増えています。
ストレス社会に負けない、免疫力を身につけることこそ、孤独に打ち勝つことかも・・・
免疫力を強化・調整することは、健康を保つ上で安心の担保 |
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2006年09月05日 |
免疫機能低下の原因はストレス、食生活、過保護、環境汚染、薬の服み過ぎ、加齢、低体温体質の増加、メタボリック症候群の増加などいろいろあります。特にストレスは免疫力を3分の1以下に低下させるといわれています。
免疫細胞を傷つけたり発病の遺伝子を活性化する物質は環境にあふれ、ダイオキシンは免疫細胞の主力(T細胞)を作る胸腺を萎縮させることが確認されています。
加齢によっても免疫力は低下し、40歳代でピーク時の2分の1にまで低下し、以後、加齢とともに、NK細胞をはじめ免疫力は下降し続けます。(
免疫プラザ参照)
ご存知のように免疫力は、私たちが生きていくうえで必要な、自然治癒力の主役です。極端に言えば、免疫力がないと、私たちはひと時も生きることは出来ません。
大地、空気、水、食物、この人間が住む地球の大自然には、善玉も悪玉もごちゃ混ぜの目に見えない微生物、バクテリア、細菌、ウィルスなどが共生しています。日常、これらに恐怖を感じることなく過ごせているのは、ヒトそれぞれに備わっている免疫力のお陰です。
この免疫力を欠いていると、何らかの理由で口から、鼻から、目から、皮膚から侵入してくる悪い微生物などに侵され、ひとたまりもなく死にいたります。
もし、患者自身にこれらの自然治癒力の主役である免疫力がなければ、手術などという療法ははじめから成り立ちません。いかに名医が執刀しようとも、患者当人に免疫力がなければ、切除された臓器は切除されたままで再び正常に回復することはありません。なぜなら、手術によって体の表面にできたキズはふさがらず、そして、どのように抗生物質を投与しようとも、消毒薬を用いても、やがて、その部位は、傷口から侵入してくる微生物にどんどん侵され、化膿し、腐っていくのが自明だからです。
厄介なことに、悪いことをするこれらの微生物を、私たちは地球上から撲滅することは出来ません。そればかりか最近では、投与される抗生物質に打ち勝つ耐性菌も増殖をしはじめ、インフルエンザひとつを取ってみても、新たな抗生物質を創り出すヒトの知恵と、新たに進化するウィルスとのいたちごっこの感否めません。
したがって、言わずもがなですが、免疫力を高める、免疫力を調整することを、日常に取り入れることが、健康を保つ上で、安心の担保となることでしょう。