12月も中旬、今年も残すところあと僅か。 あわただしくというか、盛りだくさんに過ごした1年だった。
地球温暖化といえども、朝夕冷え込む師走の日が続く。 先日まで赤さを増していた我が家の紅葉も、今は葉を落とすばかりだ。 今、本格的な冬の前触れのように、山茶花のピンクの花が咲き始めている。
寒さに加えて歳の所為か、肩こりなど縁のなかった私だが、最近は妙なこわばりを感じたり、いつの間にか肩をすぼめて背中を丸めている自分に、ハッとすることが多くなった。 多くは、何かに集中していて、神経はかなり緊張状態になっている。 あわてて背筋を伸ばし、深呼吸をする。 大きくゆっくりと腹式呼吸を繰り返すと、スーッと落ち着き、気持ちまで和らいでくるのが分かる。
久し振りに安保徹先生の『免疫革命』を読み直した。 2年前の夏、「白血球の自律神経支配の法則」を知り、”目からうろこ”の、感動の記憶が蘇る。 とかく難しく細分化されがちな免疫学を、科学的根拠に基づき、実際の症例等を交えながら、明快に分かりやすく解かれていて、吸い込まれるように、一気に朝までかかって読破した。 様々な疑問や難問に出会うたび、いつも立ち返るのがこの『免疫革命』だ。 私のバイブルでもある。
安保先生は、免疫は代謝エネルギーのシステムが基本であり、「食事と呼吸」の重要性を指摘されると同時に、 病気の原因はストレスだと明言されている。 そこで出てくるのが、自律神経と白血球のシステムの結びつきである。
自律神経は、自分の意思でコントロールできません。 呼吸は、自律神経のコントロール下にありますが、自分の意志でもコントロールできます。 興奮すると呼吸が速くなり、交感神経が優位になります。 交感神経が過度に緊張すると顆粒球が増え、活性酸素が大量に拡散して、細胞組織を破壊します。 大きく深呼吸すると、気持ちが落ち着き、副交感神経が優位になります。 副交感神経が優位になると、リンパ球が増えて免疫力がアップします。
そして、「食事と呼吸」と共に「笑うこと」を勧められる。 「笑い」は気分をリラックスさせ、副交感神経が活性化されて、免疫力もますますアップするという。 明快で、読むたびに心が穏やかになり、背筋が自然と伸びている。
安保先生は、現代医療で行われている癌の三大療法(手術・抗癌剤・放射線照射)に真っ向から反対されている。
「権威からクレームが来て、逆にファイトがわいた。反撃されればより強烈な本を書く」※ (※中日新聞:異端の肖像2005 安保徹さん『免疫力でがん治る』 藤原正樹氏の記事より)
【トランスファーファクター】で活性されたNK細胞が、免疫システムを強化して、癌やウィルスを破壊する。 安保先生の意志力は、強化された免疫力そのもののようだ。
暗い陰惨な事件が、とかく強調される今の世相に、明るい火を灯すが如く、安保先生の『免疫革命』は、 人が元気に生きるための、勇気をもたらしてくれる“命の指南書”だ。 『免疫革命』を通じて、生活と意識の“革命”を、提唱されているように思う。
※注※ 上記の記述のうち、安保徹先生の免疫学については、極端に端折って書いています。 詳しくは、安保徹先生の書物がたくさん出版されていますので、それらをご覧下さい。
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